北海道自動車情報誌「カーピアCelhome(セロム)」は寒冷地の視点で車の特徴を紹介|発行:株式会社イベント工学研究所

エグゼクティブサロン

2018年10月+11月 錦秋号

札幌トヨペット 沖田 俊弥社長

『お客様との関係強化』がCS向上の金科玉条
札幌トヨペット
沖田 俊弥社長

 今や、世界の自動車メーカーが100年に一度の大変革期を迎えている。つまり、「コネクテッド(つながる)」「オートノーマス(自動運転)」「シェアリング(共同所有)」「エレクトリシティー(電動化)」の英語の頭文字CASE、さらに人工知能(AI)の開発といった『次世代技術車』 開発競争時代の大変革期である。
 一方、自動車販売業界はどうか。国内の市場動向の推移をみると、少子高齢化の他、カーシェアリングの台頭など新たな波が押し寄せている。更には、電動化や自動運転車の本格的普及も目前である。
 トヨタ自動車は将来、国内販売体制を抜本的に見直し一本化すると報じられた。それは販売店の変革を意味する。販売店の働き方改革も待ったなしである。
 以上の自動車業界の環境を踏まえて沖田社長に聞いた。
 沖田社長は2017年4月に札幌トヨペットに赴任しているが、それまでに、トヨタ自動車の国内販売部門で販売店経営などの経験が豊富である。その経験、情報、知識などから「将来のディーラーのビジネスモデルは大きく変わる。しかし、その姿は未だ判然としない。だからこそその備えとして、営業活動、社員の働き方を変えることに躊躇しない姿勢が何よりも大切」と社長就任以来社員に語っている。
 「札幌・室蘭地区が我々の活躍の場と明確であり、『ヒト、モノ、カネ』の経営資源をムダなく、惜しみなく地域に注ぐことが地域に密着したサービス業のあるべき姿」と沖田社長は語る。
 「『地域に密着したサービス業の原点』とは、お客様とのコミュニケーション力を高め、お客様のニーズを先取りした活動、さらにCSR(企業の社会的責任)を推進していくことです。そのためには会社、社員が自己投資をして感性を磨き、人間形成を高めて、お客様から信頼される社員になることです。営業スタッフは、お客様との接点を増やし、お客様の笑顔のために何ができるかという意識改革が必要です」
 「今年から従来のお客様相談室を『コールセンター』に改称し役割を大きく変更しました。定年を過ぎた店長、営業経験者を配置し、また本社3階フロアの間接スタッフにも参画してもらい、電話のフォロー活動を積極化しているところです。一年以上取引のないユーザーとも『お客様との関係を維持する、修復する』ことが大きな狙いです」
 「訪問、電話、DM、メール、ライン、フェイスブックそして、マスメディア、とコミュニケーションの仕方が多様化しています。その手段は年齢層によって違います。
 しかし、ラストワンタッチは"フェイス・トウ・フェイス"、お客様とのコミュニケーションはサービスを通じてが一番なのですが、店頭に来られるお客様で、車に関心がある、車に詳しいお客様は購買動機がはっきりしていますが、車に関心がないお客様にも車のトレンド情報(安全装備搭 載車など)の提供や賢くお得なお買い求めの方法の提案で、潜在的なニーズの気づきを与えて差し上げることが今一番の課題。まずはそうした機会を増やしたい」
 最近顕著なのは、高い年齢層の代替が活性化しているという。トヨペット店はユーザの年齢層が(他系列に比べ)比較的高い。ユーザーの関心は安全へ移っている。安全装備搭載車が増えており増販のチャンスである。
 札幌トヨペットは「サポカー体験会」を積極的に開催している。中でもこのほど、月寒店で自動ブレーキ「プリクラッシュセーフティ(PCS)」試乗体験の実施を道内トヨタ系ディーラーで初めて開催。
 アクアを試乗車に、PCSと踏み間違い時サポートブレーキ(ICS)を希望者に体験してもらった。この種の『サポカー体験会』は他デーラーでも本格化している。『安全をテーマ』にディーラの店頭の風景が変わってきたのもディーラー変革の一つかも知れない。
同社はさらに、老人クラブや法人の座学+実体験を通じて地域社会とのコミュニケーションや社会貢献活動を活発化している。
 最後に、沖田社長に同社創立65周年(2021年)までの数値目標は何かを聞いた。
 「CS(お客様の満足度)を高め、お客様の不満(不接触)を解消することはもちろん、感動を与えることが金科玉条ですが、数値目標というより、札幌市内トヨタディーラーでCSがトップクラスになることですか…」と地域N01のディーラーを目指す沖田社長の志を感じた。
 同時に社員の「働き方改革と魅力的な職場づくり」、つまり『ES』(社員の満足度)の向上に積極的に取り組んでいる沖田社長の経営開花が楽しみである。
(注)取材は「北海道胆振東部地震」発生前に行ったものです。

ページトップへ戻る

ネッツトヨタ道都 山下 光一社長

『家族的で和やかな社風』で社員が誇りを持てる会社に
ネッツトヨタ道都
山下 光一社長

 9月6日午前3時8分に発生した『北海道胆振東部地震』により道内は間もなく大規模停電、ブラックアウトとなった。電力が回復するまで地震発生から約2日間(地域によって異なる)。その時ディーラーの被害状況はどうだったのか。
 山下社長に地震時の対応、影響などを聞いた。

-地震での店舗の被害状況はどうでしたか。
 「当社は震源地に近い苫小牧店、室蘭店がありますが、両店舗の物的被害はほとんどなく安堵しているところです。国道36号線沿線の清田区・美しが丘店では敷地の一部に亀裂が入るなどの被害を受けました。札幌市東区の元町店では店舗前の幹線道路が地面の陥没により通行止めとなり出入りに不便な状態でした。又、ショールームのガラスの一部にヒビ割れがおきるなどの被害を受けました」

-社員の対応はどのようでしたか。
 「ブラックアウトになりましたので、社員の安否確認に時間がかかったり、信号機も停電により止まり公共交通機関も運休になり社員の出勤も難しい状況でしたし、お客様への対応も、携帯電話のみですので困難な状況でした。ガソリンスタンドなどでは給油をするドライバーが列をなしている状態でしたので、燃料補給もままになりませんでした。この大地震でディーラーとして今後学ぶことが多かったと思います。今後の災害時の対応策を十分に検討しておきたいと考えています」

-営業にも大きな影響が…。
 「お客様のサービス工場への来店が減り売上が減少しています。すでに今回の地震発生前の台風の影響でメーカーへの部品納入が遅れ、ディーラーへの新車の配車が遅れ気味となっていました。その上、今回の地震発生でさらに遅延状態となっています。当社としては全力でお客様と連絡を密にし、ご迷惑をかけないように対応を図っています。これを機に、"ネッツトヨタ道都"の社員力、ブランド力をいかに高めるかの学習をしていきたいと考えています」

-今年の販売状況はいかがですか。
 「今年度の新車販売台数、上期(4〜9月)は、9月の地震の影響がありましたがスタッフの努力で前年並みの水準を維持できたと思います。ただ、1〜9月で見ますと4%ほど落ち込んだ結果でした。下期はマイナーチェンジをする車も予定されていますので頑張りたいと思います」

-営業政策について。
 「今年4月から全道トヨタ店合同で展開している"北海道オールトヨタサポカー☆ノリカエキャンペーン"をフルに活用して来店増を図りたいと思います。また当社の営業政策では、来店の動機づけとして、お得なサービスデーの「レディースデー」(毎月第1・第3木曜日)と65歳以上のお客様の「プラチナデー」(毎月第1・第3月曜日)を実施していますので、この企画をメインに、工場やショールームへの来店客を増やして行く作戦です。また、お出迎え、お見送りの徹底を図りお客様との親近感、信頼感につなげていく方針です」

-最近ユーザーの車に対する安全、安心の意識が高まってきていますが。
 「お客様の安全に対する知識や要望が高まって来ていますので、十分なスタッフ教育の上、サポカー体験試乗会を実施しています。当社では『ICS(インテリジェント・クリアランス・ソナー)ライセンス』の資格をこの8月にスタッフ全員取得しています」

-今後の設備投資の予定は。
 「この10月に本社工場に次いで、U-MEGA山の手店に『門型洗車機』を導入します。その他の店舗にも導入したいのですがスペース(敷地)の関係があり今後、継続して検討していきます」

-人事面では。
 「労務管理を徹底して"働き方変革"を実行しています。派遣社員や契約社員の女性スタッフについては他販売店に引けを取らないように積極的に人材登用を進めています」

-貴社の社風について。
 「当社の社風は、家族的で和やかな会社と言えます。そして社員が誇りを持つ会社に成長を遂げたいと考えています」
山下社長は何事にも冷静沈着な姿勢を見せるタイプと見るが、行動力にバイタリティさを感じる。リーダーとして理想的な資質を持ち合わせており、創立65周年に向けてネッツトヨタ道都を大きく飛翔させるに違いない。

ページトップへ戻る