北海道自動車情報誌「カーピアCelhome(セロム)」は寒冷地の視点で車の特徴を紹介|発行:株式会社イベント工学研究所

北の大地・風を読む

本誌編集長 佐藤 公(さとうたかし)

2020年2月+3月 新春号

Come On! 目を覚まそう!
人類の危機「地球温暖化」
− 問われる指導者の適切なリーダーシップと「哲学観・理性……責務」 −

 「世界は火に包まれて終わる、とある人は言い、氷に覆われて終わる、とある人は言う」
 これは米国の詩人ロバート・フロストの詩の一節である。今、世界は新型肺炎ウイルス感染の恐怖に包まれている。やがて…「人類は(次々と発症する)強靭な新型ウイルスに冒されて終わる、とある人は言う」とフロストの詩の一節に加わることになるのであろうか。
 人類の滅亡はこのような自然現象によるものと、人類自身の愚かな活動(核戦争など)の結果によるものに分けられるが、その現実は1000年後いや100年後かも知れない。
 日本では、今後30年間に70%の確率で起きると予測されている首都直下地震。死者2万3000人、経済被害は95兆円に達すると言われているが、地震の規模によっては被害は更に拡大し日本経済や人口減少に歯止めがかからなくなる非常事態になるかも知れない。
 「あなた方は、自分の子ども達を何よりも愛していると言いながら、その目の前で、子ども達の未来を奪っています」
 2018年末、ポーランドで開催されたCOP24(気候変動枠組条約第24回締約国会議)で、当時15歳のグレタ・トゥーンベリさん(スエーデン)が語ったこの言葉を忘れない。今、地球の未来に不安を感じ、十分な対策を取らない大人達(主に政治的指導者)へ憤りを感じている若者達の思いを強烈にアピールするものだ。
 現在ほど、世界の政治・経済において、指導者の適切なリーダーシップと哲学観・理性・品格・道徳・倫理・責務が問われている時代はないだろう。
 全身の筋肉が徐々に動かなくなる筋委縮性側索硬化症(ALS)と闘い続けてきた「車いすの天才科学者」のスティーヴン・ホーキング博士(2018年3月没、享年76歳)は、近い将来に人類が恒星間に生きる種となるか、さもなければ”絶滅する“恐れがあると主張した。
 「地球はさまざまな分野からの脅威を受けており、わたしにとって楽観的になるのは難しいのです」
 ホーキング博士は以前から、気候変動や伝染病、人口増加のすべてが地球上でのわれわれの生存に大きな脅威をもたらすと予測してきたのである。2016年11月、彼は人類が今後1000年以内に新たな惑星を見つける必要があると述べた。そして2017年5月には、彼はその予測を100年にまで短縮した。
 科学者、経済学者、教育者、経営者などで構成されたスイス法人の民間組織「ローマ・クラブ」の存在をご存知だろうか。
 イタリアの実業家アウレリオ・ペッチェイの提唱(創設者)で1968年に結成、1970年正式に発足した、地球と人類の未来に向けて提案する民間研究団体だ。
 ローマクラブヘの第1回の報告書「成長の限界」(1972年)で、アメリカの環境学者デニス・メドウズ(1942年〜、成長の限界のプロジェクトリーダー)はゼロ成長論を提案した。彼は自国主義に陥っていく60〜70年代の世界各国の政治を見て、人類の環境が維持できなくなると警告。いみじくも今日のトランプ大統領の『アメリカ・ファースト』、欧州の極右勢力などの『ポピュリズムの台頭』など、大衆が動かされてしまう風潮を見通している。
 続編『限界を超えてー生きるための選択』(1992年)では、資源採取や環境汚染の行き過ぎによって21世紀前半に破局が訪れるという、更に悪化したシナリオが提示されている。
 ローマクラブ創設から半世紀が経ち、人類は新たな段階に入った。世界では際限ない都市化とライフスタイルの変化、その要求に伴う過剰な開墾、生産活動によって、地球1個の再生産能力を上回って資源を使い尽くすオーバーシュート問題、気候変動に伴う極端気象、飽食と飢餓、空前の富と貧困の格差など、様々な問題が次々と噴出した。
 「我々は子供たちへの責任をはたしているか」
 次世代の環境を心配するグレタ・トゥーンベリさんから、我々大人に投げかけられた命題への問いは、海よりも深く地球よりも重い。

(参)「成長の限界」から半世紀を経て今日生じてきた、これらの状況を網羅的に書き込んだ包括的レポートは2017年12月に、最新レポートが刊行された。日本語訳版は「Come on!目を覚まそう!〜環境危機を迎えた『人新世』をどう生きるか?」(明石書店)として出版された。人新生・SDGs(Sustainable Devel0pment Goals ・持続可能な開発目標の略称)の時代に、地球環境と人類社会の持続のため何ができるかを様々な視点から探究する。

本誌編集長 佐藤 公(さとうたかし)

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