北海道自動車情報誌「カーピアCelhome(セロム)」は寒冷地の視点で車の特徴を紹介|発行:株式会社イベント工学研究所

北の大地・風を読む

本誌編集長 佐藤 公(さとうたかし)

2019年2月+3月 新春号

平成時代の「先送り」から
ポスト平成「先取りへ」
−生死事大”人生に待ったなし!”−

先延ばしとは、未来に悪影響があると知りながら、意図的に重要な仕事に着手しないこと
 30年間続いた平成の時代が今年4月で終わる。平成とはどんな時代だったのか。少子高齢化(社会保障などで世代間対立が生じている)、地方創生(とはいえ、都会の一極集中化が進んでいる)、財政再建(国の負債の膨大化)などを総括して「問題先送りの時代」と言えよう。また、何度も大地震や災害危機に見舞われた災害の時代、失われた20年(30年?)の経済停滞の時代でもあった。
 昭和が戦後の「復興と高度成長の時代」であったのとは対象的である。
 作家の五木寛之さんも「平成とは、問題をなし崩しに先送リしている中での相対的な安定期だったのではないか。だから次の時代は露骨な時代になる」
 「若者と高齢者の間の緊張感は募るだろう。だからいつまでも成長の時代、登山の意識だけでは、いられない。いかに上手に下山をするのか。どのように下山に楽しみを見つけるかが大切だ」(日経新聞・文化欄)とも語っている。
 『先延ばしとは、 未来に悪影響があると知りながら、意図的に重要な仕事に着手しないこと』
 ライフハッカー
(注)ライフハッカー(Lifehacker)は、生活術や仕事術を始めとした「ライフハック」と呼ばれる情報を主に紹介するウェブメディア。アメリカ合衆国でゴーカー・メディア(Gawker Media) によって2005年にスター卜した。
 問題先送リにはグローバル的には、地球温暖化、原発問題、移民、難民問題などであり、国内的には国の財政(破綻)問題、少子高齢化、貧富の格差化などの課題が指摘される。
 ポスト平成は「人生100年時代」だ。しかし、これらの課題をさらに先送りされては国家が成り立たない。課題の「先取り」にチャレンジするトップの強いリーダーシップが求められる。
 前号の本欄で紹介した福井県徳賞寺粟谷正光住職から、新年の法話(良い教え)の書状を戴いたので一部を紹介する。粟谷住職も同様に「時」の大切さを指摘しているのだ 。
 「人生に待ったなし」
 「生死(しょうじ)事大(大事であること)無常迅速、光陰惜しむ可(べ)し時、人を待たず」
 この句は中国禅宗の五祖弘忍禅師が、弟子達を指導する時に用いたことから始まったと言われています。
 禅寺の玄関に、「板木」(はんぎ)という、客が打って来訪を知らせる四角い木板が掛かっています。この板木に書いてある句がこの句「白大衆(だいしゅうにもうす)」です。
 本来この縦横50センチの分厚い板は、禅の専門道場の坐禅堂に懸けられていて、雲水(修行者)たちに 一日に三度、時間を知らせる道具です。この「道具」という語は、「仏道修行の用具」という意味の仏教語なのです。
 皆のものに申し上げる 生死の問題は重大なことである あらゆるものの変化は本当に速やかである…。
 私たちはこの世に生を享(う)けて、死ぬまでの間、健康を誇り、いかに財産や地位や、名声を得ても、いかに科学や医療技術が進んでも、止めることができないのが「時」です。時は刻一刻と流れ、一時も待ってくれません。光陰矢の如し、と言われるように、私達の生から死の「時」はあっという間に過ぎていき、いたずらに「時」を送り生をむさぼっていては、私たちに与えられた生死の意義をつかめないままに一生を終えてしまうかも知れません。
日々の生活の中、目先のことに一喜一憂するのではなく生死をしっかりと考えることが大切と思います。
 京都東福寺の鼎(てい)州禅師は、ある日弟子を連れて山内の庭を散歩していました。そこに禅師が歩きながら一枚一枚葉を拾って袂(たもと)に入れるのを見た弟子が、「和尚おやめ下さい。いまに掃きますから」と言ったとたんに、禅師は大喝一声「馬鹿者、いまに掃きますでは美しくなるか。一枚拾えば一枚分だけ美しくなる」と叱咤したといいます。
 今の時代も、世間ではやるべき仕事を後回しにし弁解される者を見かけますが、それは最初からやる気がない証拠です。約束した時間を守らず、平気で遅刻する者も同様で、電車やバスのように「時」は一人の為に決して待ってくれないのです。
 時代は変わっても『人生に待ったなし』です。生死事大は、私たちに突きつけられた最大の問題です。今年、年頭にあたり皆様の計は、いかがですか。今年こそ、いつやるの、今でしょう!
 『「そのうちやる」という名の通りを歩いて行き、行き着くところは「なにもしない」という名札のかかった家である 』 『ドン・キホーテ』の著者セルバンテス(スペイン)
 先の見えない、未来に対してできる、最善の準備は、今を必死に生きることである。

本誌編集長 佐藤 公(さとうたかし)

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