北海道自動車情報誌「カーピアCelhome(セロム)」は寒冷地の視点で車の特徴を紹介|発行:株式会社イベント工学研究所

北の大地・風を読む

本誌編集長 佐藤 公(さとうたかし)

2020年6月+7月 新緑号

新型コロナウイルスの
パンデミックは社会をどう変えるか
− 「新北海道スタイル」を定着させ、新しい北海道の創生を! −

 コロナウイルスの流行はライフスタイルやビジネスのあり方を大きく変えることになる。あらゆるものが劇的に変わる、人生観が変わるといっても過言ではない。
 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、多くの人が「早く元の生活に戻りたい」と願っていると思うが、私たちは「これまでとは違う世界を生きていく」という覚悟を持つ必要があるかもしれない。
 今、 新型コロナウイルスのワクチンや治療薬の開発、承認、生産が急がれるが、量産にまで達するにはまだまだ時間がかかるかもしれない。政府は感染の第1波で緊急事態宣言発令に基づく実質的ロックダウンを実施した(東京都など首都圏の1都3県と北海道)。そして拡大が終息した時点でロックダウンを解除したが、 また第2波が発生した時にはロックダウンするというように、「閉鎖、解放、閉鎖、解放」を繰り返していくことになるのである。
 さて、私たちはコロナ禍社会で活動するためには変革、変容の免疫力を高めることが肝要である。感染症への耐性の強い社会をつくるために、カギを握るのは市民一人ひとりの行動変容だ。根拠のない思い込み、これを社会心理学では『正常性バイアス』と呼ぶ。自分に都合の悪い情報を過小に評価するバイアス(認識のゆがみ )である。
 「自分は関係ない」『今すぐ避難しなくても大丈夫』というバイアスが妨げになって、危険な場所に多くの人が居つづけるのだ。
 また、行動経済学において、この行動変容を促すキーワードが「利他性」である。例えば、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う病床不足を想定し、大阪府が無症状や軽傷の感染者を受け入れる宿泊施設を求めていることを受け、楽天の三木谷浩史会長兼社長が個人所有するホテルの無償提供 を提案したとテレビ、新聞が報じた。
 「人間力」の要素の―つが『利他の精神』である。これからは、相手の、又は他人の利益や便益を重んじ、 自己をささげる心構え、利他を行動原則とする考え方が特に共生社会には必要だ。
 つまり、自分だけでなく他人のためにもなるという「利他性」を軸にしたメッセージのほうがはるかに効き目があるのだ。ちょっとした気づきを与えて人の行動を変える、行動経済学でいう「ナッジ(肘で軽く突っつくこと )の手法がウイルスの感染防止にも有効だ。若者に「あなたが『3密』状態を避けることが、周囲の人の命を助けます 」というメッセージをSNSなどで届ければその効果は大きい。

エンターテインメント業界を衰退させてはならない!
− 人々の行動様式の変容で「コト消費」に危機感が −

 次に、人々の行動様式が変わってしまい、外食産業などの「サービス消費」、イベントなどの「コト消費」が縮小することである、自動車や家具などの耐久財消費は感染拡大収束後に需要が顕在化する。しかし、外食のようなサービス消費については、営業形態の変容とお客の意識変容で売上の減少が余儀されかねない。
 これまでの社会は、人と人とが接触する(触れあう)ことで多くの物事が進み発展してきた。しかし、接触を避けなければならなくなった(三密)いま、今までの形でのレストランでの食事、スポーツ観戦、演奏会や観劇などに行くことなどはできなくなった。
 いわゆる大衆を集めるイベント、文化芸術催事などの「コト消費」の変容である。エンターテインメント業界のあり方が変わるのである。その中で事業者、企画者はあらゆる工夫をし、いかに生き残っていくかのビジネスのあり方、 アイデアを考えなくてはならなくなった。今まで研鑽し体験を積み重ねてきたコト消費は感性を高めるコミュニケーションツールであり、 人間にとって衰退させてはならない必要不可欠のビタミンである。
 また、最近コロナ禍が店と客の関係を変えたという。店員のマスク着用は安心や気配りの象徴で客を守る行為で理由が分かる。一方、店員が近寄って客への声かけを止めた(ソーシャルディスタンス)ことは、従来の客に寄り添って丁寧に説明するという販売手法を覆すものである。このことは今後、販売手法の一層の研究が求められるところではないだろうか。
 最後に、 鈴木直道北海道知事は、新型コロナウイルスとの闘いが長期化している中、国が示した「新しい生活様式」の北海道内での実戦に向けた、新しいライフスタイルやビジネスモデル「新北海道スタイル」を宣言した。この宣言は、道民と事業者が連携しながら、北海道全体で感染リスクを低減させる、そして新しい需要を取り組みビジネスチャンス拡大につなげていく新たなステージの北海道を目指すものである。
 道民の理性と協力で何とか「新北海道スタイル 」を定着させ、次世代の新しい北海道創生を実現したい。

本誌編集長 佐藤 公(さとうたかし)

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