北海道自動車情報誌「カーピアCelhome(セロム)」は寒冷地の視点で車の特徴を紹介|発行:株式会社イベント工学研究所

北の大地・風を読む

本誌編集長 佐藤 公(さとうたかし)

2018年6月+7月 新緑号

北海道150年、「北海道未来学」を学び、語ろう!
〜「北海道の強み」を再認識し、わくわくする未来思考を〜

人口減少、教育機関再編などの課題
「北海道未来学」で研究を
 2018年、北海道は命名150年目を迎える。その「北海道150年記念式典」が「先人に学び、未来につなぐ」というテーマで、8月5日(日)北海きたえーる(札幌市豊平区)で開催される。
 式典は「青少年の誓い」「アイヌ文化・地域の伝承芸能の紹介」などに続き、スペシャルライブなど、多彩なイベントが企画されている。なかでも、各分野の第一人者が北海道の未来を展望する「北海道の未来トーク」(サブ会場)が関心を呼びそうだ。
 北海道新幹線札幌延伸、冬期五輪札幌市誘致、日ハムの北広島市ボールパーク構想などは、夢のある現実的な未来構想として論じられるであろう。
 つまリ、"北海道未来学 "のトークである。未来学とは、急速な科学技術の発達による人間環境・社会構造の変貌に伴い、未来をさまざまな角度から研究・推論・予測・計画しようとする学問の総称(大辞林)であり、未来学はありうる未来だけでなく、もっともらしい未来、望ましい未来、未知の未来を検討することでもある。
 「北海道未来学」を語る上で、北海道の一番大きな課題は人口の減少だろう。北海道は国勢調査が行われた2015年と比べ、2045年には25.6%減の400万人まで減少するという(厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所)。
 道内で減少率が最も高いのは、歌志内市の77.3%。15年に3585人だった人口は30年後に813人になる。また、1000人を下回る自治体は179市町村の内、16市町村にも上る。
 大都市圏の札幌市も15年に195万人いた人口は7.5%減の180万人に。同様に、函館市26万6千人から16万3千人、小樽市12万1千人から6万人、旭川市34万人から24万8千人になると予測されている。
 さらに衝撃的な数字がある。総人口に占める65歳以上の割合(高齢化率)だ。15年に29.1%だった北海道は45年に42.8%にもなる。また、地方都市では、小樽市や留萌市、美唄市など80市町村が、人口の半数以上が65歳以上の「限界集落」になる※注。
 北海道の人口減少不安の―つに働き手が首都圏に流出し労働力不足が深刻化することである。社会保障制度が維持できぬ恐れもある。このため道は東京や札幌など都市部に住む若者を夕ーゲットに、道内に移住・定住してもらう事業を今夏から始める。東京都内にカフェを開設し、首都圏の若者達に北海道の魅力を発信する。また、札幌圏の学生たちは、2カ所以上の地方都市で地域おこし計画を作る。総事業費は1500万円。
 一方、少子高齢化は教育界にまでも影響が波及する。国が推し進める大学再編の波が北海道にも及んできた。国立大学の小樽商科大(小樽市)、帯広畜産大(帯広市)、北見工業大(北見市)が5月29日、2022年4月をめどに運営法人の統合をめざすことで合意書を締結した。分野の異なる農商工の単科大学が手を組むことで、少子化で学生数が減る厳しい経営環境下での生き残リを図る。3大学の学長が札幌市内で記者会見を開いて正式発表した。「北海道連合大学機構(仮称)」を帯広市に新設し、3大学の管理部門の人員やシステムの集約などで効率化を進める一方、傘下で運営する個々の大学の研究や教育の独立性は保つ方針などを示した。残る、北海道教育大学、室蘭工業大学、旭川医科大学の単科大学も再編・統合、連携の在り方について検討されているようだ。
ホスピタリティ実績の活用を
2008年サミット開催地
 「周年」を変革、発展の節目の年と考えるならば、2008年に主要国首脳会議(G8)「北海道洞爺湖サミット」が開催されて今年が10年目にあたる。世界の中での北海道のあるべき姿、国際的視点から未来を語ってもよい。当時、「北海道洞爺湖サミット 」で高橋はるみ知事は「相当のPR効果になる」と述べ、今後は民間企業などと連携を取りながら観光の振興や道産品の販路拡大、国際会議の誘致などに力を入れる考えを示した。「北海道の強み」を再認識し、その推進に取リ組むことが肝要である サミット開催地のホスピタリティを務めた実績を未来に生かしたい。
 人口、経済、農業、教育などに諸問題を抱える北海道を"明るい農村"ならぬ"明るい北海道の未来"で論じて欲しい。
 「未だ来たらざるもの」を、私たちは想像し、思考し、それに社会的な意味や機能を与えて「北海道未来学」を語る我々道民に、ワクワクする未来があるのではないか。開道150年、その先の未来学「北海道200年」を楽しく語ろう!

※(注)過疎などによって、65歳以上の高齢者の割合が50パーセントを超えるようになった集落。家を継ぐ若者が流出して、冠婚葬祭や農作業における互助など、社会的な共同作業が困難になった共同体。機能を失った集落は消滅に向かうとされる。旭川大学の大野晃教授(高知大名誉教授)が1991年に提唱した。

本誌編集長 佐藤 公(さとうたかし)

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