北海道自動車情報誌「カーピアCelhome(セロム)」は寒冷地の視点で車の特徴を紹介|発行:株式会社イベント工学研究所

北の大地・風を読む

本誌編集長 佐藤 公(さとうたかし)

2020年8月+9月 盛夏号

国産自動車販売店の再編進む!
事業効率化と地域密着型経営を目指して

−トヨタ、直営販社5社を地場資本に譲渡−

 トヨタの販売車種併売化で『2020年は自動車販売革命の元年』と昨年本稿で記述したが、その傾向は加速化している。
 この7月、トヨタ自動車は、北海道や宮城県、大阪府、大分県にある直営販社5社を地場資本に一斉売却(譲渡)し、事業効率化と地域に根ざした経営を目指す。
 トヨタの国内ディーラー277社(2020年5月時点)のうち、直営は6社だった。今回そのうち5社を譲渡。残る直営販社はトヨタモビリティ(TM)東京の1社だけになったが直営を維持する方針だ。同社は2019年4月に東京トヨタ自動車、東京トヨペットなど5社の集約で設立された販社で、2020年3月期の売上高は4294億円と大きく、かつトヨタの先進的な取り組みを行う販売戦略(マーケティング)上必要不可欠な販社だ。
 トヨタの販売店設立の歴史を顧みると、『販売の神様』といわれた、旧トヨタ自動車販売(トヨタ自販)神谷正太郎社長(1898年〜1980年)は「販売店の経営は地場資本で」を基本方針とし全国のトヨタ系列販売店を設立してきた経緯がある。
 今回の直営販社の譲渡はここ数年来、動きが活発化していたようであるがただ、今回の発表がこの時点でしかも譲渡時期(大阪の2021年1月以外は2020年10月)が切迫していることに驚きが広がった。
 トヨタのオール販社地場資本化(東京を除く)が第1弾としたら、第2弾は地場資本同士の再編が加速するかもしれない。今後一層、地場資本販社同士での熾烈な販売競争(シェア争いによる勢力図)が展開されるとみられる。
 これまでトヨタ販売店の地場資本化によるグループ再編と統合を論じてきたが、日産やホンダ、三菱でも直営販売店の再編が全国的に加速化している。2020年代、日本の自動車販売店の勢力図は大きく変遷するものとみられる。

国内の自動車業界は「100年に一度の大変革」で
パラダイムシフトが起きている!

 このように今コロナ禍の時代、日本の自動車業界に大きな変革、パラダイムシフト(思想の枠組み)が起きているのである。「100年に一度の大変革」である。
 パラダイムシフトとは、それまで常識と認識されていたさまざまな事柄が、大きく移り変わることである。つまり、パラダイムシフトが起きると、それまでのやり方がまるで通じなくなり当たり前だと考えられていた前提条件が大きく変わってしまうので対処の方法も大きく変えなければならならない。
 自動車業界のパラダイムシフトの主な要因は
①少子高齢化と人口減に伴う自動車保有台数の減少、若年層の車離れなどによる市場の縮小。特に1950年に全人口の55%もいた24歳以下の人口は、2030年には18%まで低下するとみられる。
②これからCASE(コネクティッド、自動運転、シェアリング、電動化)などの、モビリティ技術革新時代を迎えてのサービス対応力の問題
③さらに、新型コロナウイルスが世界に拡大し、人やモノの往来の減少に拍車がかる自粛経済社会の到来などが考えられる。
 然るべくして、国内自動車販売店の再編は、市場環境が想定上のスピードで変化しているため販売店に体力があるうちに動くほうがいいとの判断からである。
 大変革の時代、それまでの仕組みや枠組みの固定観念を捨て、新たな発想で生き抜きたい。

本誌編集長 佐藤 公(さとうたかし)

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