北海道自動車情報誌「カーピアCelhome(セロム)」は寒冷地の視点で車の特徴を紹介|発行:株式会社イベント工学研究所

北の大地・風を読む

本誌編集長 佐藤 公(さとうたかし)

2019年4月+5月 陽春号

不透明な世界情勢は、
「ヒューマンファースト、理性・感性」の
哲学的思考で究めよ!
− 大きな転換期を迎える令和時代 −

 政府は新元号を「令和」と決定した。出展は「万葉集」で元号の漢字を日本の古典(国書)から採用したのは初めてだという。
 「初春の令月にして気淑(よ)く風和ぎ梅は鏡前の粉を披(ひら) き蘭は珮後(はいご)の香を薫らす」元号の典拠となったこの歌の意味は「時あたかも新春の好(よ)き月に、空気は美しく風はやわらかに吹いている……」である。
 奇しくもこの歌の中に、次世代のあるべき世界、あるべき日本、そして北海道の目指すべき姿のキーワードが記されていると読んだ。
 それは、➀「新春の好(よ)き月」は令和元年5月からの新時代であり➁「空気は美しく」は地球温暖化対策の地球環境、そして➂「風はやわらかに」は(人間の)理性・感性、哲学の時代を表すものと読み解いた。
 では、どんな時代を目指すべきか(心の持ち方、世界観)、何を軸にこの国の将来を描いたらいいのか。
 まず平成の幕明けに➀1989(平成元年) 年11月にベルリンの壁が壊れ、冷戦構造が終わりを告げた。ソ連も崩壊し、資本主義の勝利による「歴史の終わり」(フランシス・フクヤマ) が訪れるかと思われたが、その後はテロや移民問題、経済格差の拡大などが表面化。自由主義は世界中で謡らいでいる。
 このように時代を支配する考え方は、常に揺れ動きながら変遷してきた。特に現在は時代の大きな転換期ともみられ、日本のみならず世界情勢は不透明感がますます深まる一方、今までの常識では考えられないような出来事が次々と起きているし、またこれからも起きるかも知れない。
 ➁文明論的には、89年(平成元年)3月に世界をインターネットでつなぐウェブの概念が提唱されたことだ。携帯電話にカメラを載せ「iモード」でネットに接続するアイディアは日本が初だったが、デジタル経済の中核は米国勢や中国勢に握られてしまった。
 この反省から政府も企業も世界とテクノロジーの大きな変化に目を凝らす時なのだ。日本企業は、イノベーションに負けた、デジタルに負けた。さらにグローバルで人材採用、育成に負けたのである。
 今や、世界は「第3次産業革命」が静かに始まっている。第3次産業革命の理論的指導者で文明評論家のジェレミー・リフキン氏は「エネルギーにおける革新は太陽光や風力など再生可能エネルギーの急速な発展だ」「原子力から脱却しないと日本は二流国に陥る」と言い切る。
 さらに、トランプ政権は地球温暖化対策に背を向け、石炭など化石燃料を重視する政策にカジを切っている、とリフキン氏。移動手段での革新は「内燃機関を使うガソリンやディーゼル車が、排ガスゼロの電気自動車や燃料電池車に置き換わる。加えてカーシェアが進むことなどで新たな事業モデルつくりに挑戦してくるだろう」「ITの進化では、あらゆるモノがネットにつながるー0T、医療や行政サービス、さらに教育のあり方も大きく変える」と文明の変革を予見。
 ➂令和の時代は「ヒューマンファースト、理性・哲学」の時代であると言いたい。理念をどう持つかである。
 世論誌・月刊カレント発行人の矢野弾氏(東京)は「二十世紀は、成長と力の拡大の時代でしたが、二十一世紀は、心と感性と存在感の時代です」「21世紀はこれからの10年は大切な重要な年となる。これは歴史をしっかりと凝視して極める時代の基本は何かを提示するのが、政治であり、経済であり、外交であり、教育であり、研究であるのですが、ひと言で言えば極める時代は哲学の時代なのです」という。哲学とは、『なぜ』と問い続けながら知識を体系化していく営みを指す。さらには、自身の確固たる価値観形成、勇気ある決断を後押しするものである。
 二十一世紀は早くも20年を過ぎ元号は平成から令和に。少なくともこれから30年、50年間の時代は「ヒューマンファーストの理性・感性」の哲学を究める時代でありたい。
 令和について「人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ」と安倍総理。「人はやさしく、さわやかに、ゆたかに……こうなると社会は変わる」。新しい文化の流れをつくることを理念に1980年、イベント工学研究所は創設された。

本誌編集長 佐藤 公(さとうたかし)

ページトップへ戻る

過去の記事

2019年

2018年

2017年

2016年

2015年

2014年

2013年

2012年

2011年

2010年

2009年

2008年

ページトップへ戻る