北海道自動車情報誌「カーピアCelhome(セロム)」は寒冷地の視点で車の特徴を紹介|発行:株式会社イベント工学研究所

北の大地・風を読む

本誌編集長 佐藤 公(さとうたかし)

2018年10月+11月 錦秋号

“夢ある北海道”。
電動社会と水素社会実現に向けて
「エネルギーのインフラ整備」を確実にかつ早急に!

そのカギは、「エネルギー源の多様性(ダイバーシティ)」と「持続可能性(サスティナブル)な社会」
 “夢ある(次世代)北海道”経済発展のキーワードは多様性(ダイバーシティ)と持続可能性(サスティナブル)の二文字(言葉)である。
 「太陽光で作った電機を蓄電池でためて電気自動車で使う。これが持続可能な未来だ」と米の電気自動車メーカー、テスラのカート・ケルティシニアディレクターは語っている。


 エネルギーの多様性(ダイバーシティ)について政府は、「現在わが国の主要なエネルギー源である石油・石炭などの化石燃料は限りがあるエネルギー資源。これに対し、太陽光や太陽熱、水力、風力、バイオマス、地熱などのエネルギーは、一度利用しても比較的短期間に再生が可能であり、資源が枯渇しないエネルギーです。これらは、『再生可能エネルギー』ともいわれ、石油等に代わるクリーンなエネルギー」とさらなる導入・普及を促進する方針である。
 9月6日未明に発生した「北海道胆振東部地震」は、道内で初めて最大震度7を観測し、道内全域が停電となる"ブラックアウト"という未曾有の被害をもたらした。事故を起こした苫東厚真(とまとうあつま)石炭火力発電所(165万kW)。北海道電力の電源配置が「一極集中」だったこと大きな原因といわれる。
 電力はこれまでの大規模一極集中型から、それぞれの地域にあったエネルギーの多様な(地産地消的な) 電源による地域多様分散型へ移行していくべきであり、これこそ地方創生、北海道経済発展の重要な柱(産業)となるのではないか。
 再生可能エネルギーは、純国産エネルギーであり、太陽光発電だけでなく、風力、バイオマス、小水力、地熱をはじめとする再生可能エネルギーの導入を促進する電力システム改革が不可欠である。消費者がエネルギーを選択する時代、エネルギーの多様性(ダイバーシティ)時代になるのである。
 一方、サステナブル(Sustainable)とは、本来は「維持できる」「耐えうる」「持ちこたえられる」を意味する形容詞。ただし近年は、地球環境の持続可能性、人間社会の文明・経済システムの持続可能性の意味や概念として一般的に用いられるようになった。人間、社会、地球環境、それぞれにおいて持続可能な発展を目指すことがサステナブルな社会なのである。
 水素をエネルギーとして利用する、究極のクリーンエネルギー社会を、経済産業省は「水素社会」と位置づけている。
 水素は、電気を使って水から取り出すことができるのはもちろん、石油や天然ガスなどの化石燃料、メタノールやエタノール、下水汚泥、廃プラスチックなど、さまざまな資源からつくることができる。また、製鉄所や化学工場などでも、プロセスの中で副次的に水素が発生する。エネルギーとして利用してもCO2を出さない究極のエネルギーである。
『燃料電池車 普及に黄信号−鉄のマチ室蘭水素活用探るも…本年度購入ゼロ(2018年8月26日付北海道新聞朝刊)
 道内の自動車関連業界にとって(本来は道民にとってであるが)こんなショッキングな見出しが載った。
 「かって、鉄の町であった室蘭市は、製造業で培った技術を生かして次世代エネルギーとして普及させるため、燃料電池車(FCV)を導入したものの、車両や水素が高価格である上に水素ステーション不足も壁となり、本年度の購入はゼロ。市は20年度までに市内で15台導入を目標に掲げるが、厳しい財政状況の中で新たな普及を打ち出すことは難しく、黄信号がともる」と記事は続く。
 室蘭市は16年3月、2億6千万円を投じて道内初の移動式水素ステーションを整備。同時に道内自治体として初めてトヨタ自動車のFCV1台を購入し、翌年度にはホンダ製1台をリース契約した。
 ステーションは産業ガス大手のエア・ウオーターに委託して運営している。
 室蘭の基幹産業の製鉄業では、副産物として水素が発生し、水素を取り扱う技術が磨かれてきた。それを次世代エネルギーとして活用できれば、ビジネスチャンスがおき、地域経済の活性化につながると見込んでの計画だった。
 課題は、水素の販売価格、FCVの価格、そしてステーションのインフラ整備にあるという。これらの問題は当初からの課題であったわけで、まだ市が導入してから2年足らずの期間である。志が不十分というか、持続性がなく残念なことといわざる得ない。サステナブルな社会実現に確たる信念と行動を確実にしてほしいと願う。
 水素エネルギーの普及にはまだまだ時間がかかる。少々割高であっても社会的意義が大きく、取り組みを継続することが大事である。
 「他人が大切にしている価値観を形にしてあげることで、ビジネスは成立する」(天才経営者として名高いイーロン・マスク/テスラ・モーターズのCEO)
(最後に)
 21世紀に課せられた最大の課題はエネルーギー問題である。ガスや石油が枯渇しかかっていることは世間承知の事実だ。早く持続可能なエネルーギーにシフトしていかないと地球、人間が危ない。
 それには、未来の北海道(いや日本も)の望ましい姿を描くことだ。
 「バックキャスト」という思考法があるという。未来のある時点に理想とするべき姿を想定し、現在からその姿に近づくには何をしたら良いか考え、工程表をつくる方法だ。
 エネルギー源の多様性(ダイバーシティ)と持続可能性(サスティナブル)。
 一日も早い「エネルギーインフラ」整備で、豊かな北海道の次世代社会を目指して「頑張ろう北海道!」

本誌編集長 佐藤 公(さとうたかし)

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